日本生命倫理学会

書籍紹介・コラム

書籍紹介

書籍紹介

病と健康をめぐるせめぎあい—コンテステーションの医療社会学

佐藤純一、美馬達哉、中川輝彦、黒田浩一郎編、ミネルヴァ書房、2022年

 本書は、私もメンバーの一人である「医療社会学研究会」による研究成果を出版したものである。情報委員会から、書籍紹介の機会をいただいたので、社会学の知見が生命倫理学とどう関わるのかについて、日ごろ思っていることを書き留めておく。
 本学会には、生命倫理学という分野が領域横断的な性質を持っていることを反映して、さまざまな分野の会員が所属している。そして、本書は、(医療)社会学の書籍ではあるものの、生命倫理学を考える上で、重要なポイントが含まれている。

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臨床倫理の考え方と実践:医療・ケアチームのための事例検討法

清水哲郎・会田薫子・田代志門 編著,東京大学出版会, 2022.1

 臨床現場で医療・ケアを進めていく際に起きる「どうすればよいか」という問いは、倫理的な問いであり、臨床倫理がその問いに対応します。医療・ケア従事者と人文・社会系研究者(臨床倫理プロジェクト)とが共同で、こうした問いにどのように取り組むかを30年かけて開発してきました。その成果をまとめた本書を「臨床倫理事例検討法の決定版」としてここにご紹介します。 

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〈反延命〉主義の時代 ー安楽死・透析中止・トリアージ

小松美彦・市野川容孝・堀江宗正 編著、現代書館、2021年

 本書は、「人生の最終段階において無益な延命治療をおこなうべきではないとするような風潮」を「〈反延命〉主義」とし、それを批判的に解明することを目的とするものである。 

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『続・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)- 菅内閣と緊急事態宣言』

飯田泰士 著、現代企画室、2021年

 本書は、『新型コロナウイルス感染症(COVID-19)』(現代企画室、2020年)の続編です。そして、本書では、国内外の資料に基づき、新型コロナウイルス感染症に関して、菅内閣発足時から2回目の緊急事態宣言の終了時までのことを中心に、述べました。   

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命をどこまで操作してよいかー応用倫理学講義

澤井 努 著、慶應義塾大学出版会、2021年

 本書は、私が2017年に前著(『ヒトiPS細胞研究と倫理』、京都大学学術出版会)を出版して以降、先端科学技術を開発する研究機関で取り組んできた生命倫理学研究の成果です。本書が扱う先端科学技術は、社会を大きく変えるインパクトを持っているだけに、私たちはまさに今、(本書の書名にもなっている)「命をどこまで操作してよいか」という喫緊の問いに取り組む必要があると考えています。

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みんなのやさしい生命倫理「生老病死」

谷田 憲俊著,NPO医薬ビジランシセンター,2021年

 本書は、著者が編集委員を務める医薬品情報誌『薬のチェック』に長年連載していた「みんなのやさしい生命倫理」であり、以下のような構成となっている。
 序 章 個人と社会のはざまで-どうして人を殺してはいけないの?
 第1章 死と生、愛と性-いのちが生まれる土壌
 第2章 出会いからカップル成立まで-何に惹かれるか
 第3章 婚姻-ひかれあう生命
 第4章 生まれる人間の尊厳とは-人工妊娠中絶と生命倫理
 第5章 生殖補助医療-生命倫理より技術が先行
 第6章 延命治療とその拒否-どこからが“助けるべき生命”か

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患者・家族と一緒につくるアドバンス・ケア・プランニングノートー話して書いて患者の「希望」を見える化しよう

角田ますみ編著、メヂカルフレンド社、2021年

 本書は、アドバンス・ケア・プランニング(Advance Care Planning:以下ACP)の基本的な知識から具体的な取り組み方法、様々な医療・ケア分野におけるACPの特徴を網羅し、ACPの「最初の一歩」を踏み出す時に参考になるような内容を心がけました。

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医療・看護に携わる人のための人権・倫理読本

村岡 潔・山本 克司 編著、法律文化社、2021年

 本書は、医療現場で働く人々や、それを目指す医学生・看護学生、さらには介護者や社会福祉士のような医療・看護の現場に携わる人々向けに編まれた人権・倫理の手引書です。      

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生命をめぐる葛藤-ドイツ生命倫理における妊娠中絶、生殖医療と出生前診断-

小椋 宗一郎 著、生活書院、2020年

 本書は、妊娠中絶や出生前診断などの問題に、ドイツ生命倫理を通して、実践的に取り組むことを目的としている。なかでも「葛藤」というものが持つ倫理的意味に焦点を当てている。善/悪や正/不正を規定するのが「倫理学」なのだとすれば、きれいに「解決」できない問題を扱う本書の基本テーマは、そこから外れるかもしれない。しかし、ときに当事者の深刻な苦悩としても表れる「葛藤」は、原理的に、胎児の生命権と女性の人格権の衝突を基礎としている。のっぴきならない対立の狭間に身をおいて考えるべき、という直観が、本書を貫いている。      

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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

飯田泰士 著、現代企画室、2020年

 本書では、国内外の資料に基づき、新型コロナウイルス感染症に関して、2020年9月までのことを述べました。
 本書の目次の概要は、以下のとおりです。
Ⅰ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
Ⅱ 原因不明肺炎(Pneumonia of unknown cause)
Ⅲ コロナウイルス(CoV)
Ⅳ 緊急事態宣言(Declaration of a State of Emergency)
あとがき       

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認知症患者安楽死裁判 事前意思表示書か「いま」の意思か

盛永 審一郎 著/ベイツ 裕子 編集協力、丸善出版、2020年

本書は、「温室に並べられた鉢植え植物のようには生きたくない」と言っていた認知症のオランダ人女性のケースを取り上げる。2016年、老人介護施設で、後期認知症の女性を主治医が安楽死させ、これがオランダで2002年安楽死法施行後、初めて訴追される案件となった。女性は、介護施設に入るなら、安楽死してほしいという医師への「事前意思表示書」を書いていた。しかし、介護施設にはいらなければならないときには、自分ではもはや意思表示できなかった。医師は事前意思表示書に従った。腕に注射針を指したとき、患者は一瞬引っ込める素振りをしたりした。――

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日本における「健全な創薬文化」樹立へ―『製薬と日本社会』紹介―

奥田純一郎・深尾立/共編、上智大学出版/発行ぎょうせい/発売、2020

「日本における健全な創薬文化」樹立のためのフォーラムへの招待状である。昨今のコロナ禍は、いみじくも創薬の必要性・重要性を痛感させた。

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響き合う哲学と医療

船木祝 著、中西出版、2020

いのちの問題を人間観を軸に誕生、老い、死へと網羅的にまとめている。また、本書が扱うテーマは、コロナウイルス感染症拡大における、不確実な人間の態度決定において起こりがちなスティグマ、排除、共同体の問題と重なり合う点が多い。

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生命の問いー生命倫理学と死生学の間でー

大林雅之著、東信堂、2017

やや戸惑いながら、生命倫理学と死生学の間で揺れ動いていた頃以降の論考をまとめたものである。

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『日常のなかの生命倫理―最後に守るべきものは何か』

山本史華著、梓出版社、2018

「日常のなかの」という言葉には、見えにくくなっている生命倫理学の課題を、加速する医学や医療とは一定の距離をおきながら問い直したいという意図が込められている。

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『系統看護学講座 別巻 看護倫理 第2版』

宮坂道夫著、医学書院、2018

筆者は医療資格を持っていない。そのような人間が、医療従事者になる人たちが使う倫理の教科書を書くというのは、どういう意味をもつのだろうか。

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『新生児マス・スクリーニングの歴史』

笹谷絵里著、洛北出版、2019

遺伝学的検査という、今までは「影」として見えていなかった部分に照明をあてることで、「保因者」という親の存在をほんのわずかかもしれませんが、明らかにすることができるのではないかと考えています。

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『看護倫理を考える言葉』

小西恵美子著、日本看護協会出版会、2018

世に溢れる言葉。それらと倫理は無関係のようでも、語られた文脈や背後を辿ると、しばしばそこに倫理があると感じます。

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『倫理的に考える医療の論点』

浅井篤・小西恵美子・大北全俊編、日本看護協会出版会、2018

本書は2016年3月発行の浅井篤・大北全俊編『少子超高齢社会の幸福と正義』の継承企画で、医療に関わる国内外の20の時事的な倫理・法・社会的な問題を、多様な背景を持つ19名の筆者が独自の観点から論じる試みです。

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『「患者」の生成と変容:日本における脊髄損傷医療の歴史的研究』

坂井めぐみ、晃洋書房、2019

幕末期から現在までを対象に、脊髄損傷医療がどのように形成され展開したのかを検討し、「患者」の位置づけがどう変容したのかを示した医療史研究です。