日本生命倫理学会

書籍紹介・コラム

書籍紹介

生命をめぐる葛藤-ドイツ生命倫理における妊娠中絶、生殖医療と出生前診断-

小椋 宗一郎 著、生活書院、2020年

 本書は、妊娠中絶や出生前診断などの問題に、ドイツ生命倫理を通して、実践的に取り組むことを目的としている。なかでも「葛藤」というものが持つ倫理的意味に焦点を当てている。善/悪や正/不正を規定するのが「倫理学」なのだとすれば、きれいに「解決」できない問題を扱う本書の基本テーマは、そこから外れるかもしれない。しかし、ときに当事者の深刻な苦悩としても表れる「葛藤」は、原理的に、胎児の生命権と女性の人格権の衝突を基礎としている。のっぴきならない対立の狭間に身をおいて考えるべき、という直観が、本書を貫いている。      

書籍紹介

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

飯田泰士 著、現代企画室、2020年

 本書では、国内外の資料に基づき、新型コロナウイルス感染症に関して、2020年9月までのことを述べました。
 本書の目次の概要は、以下のとおりです。
Ⅰ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
Ⅱ 原因不明肺炎(Pneumonia of unknown cause)
Ⅲ コロナウイルス(CoV)
Ⅳ 緊急事態宣言(Declaration of a State of Emergency)
あとがき       

書籍紹介

認知症患者安楽死裁判 事前意思表示書か「いま」の意思か

盛永 審一郎 著/ベイツ 裕子 編集協力、丸善出版、2020年

本書は、「温室に並べられた鉢植え植物のようには生きたくない」と言っていた認知症のオランダ人女性のケースを取り上げる。2016年、老人介護施設で、後期認知症の女性を主治医が安楽死させ、これがオランダで2002年安楽死法施行後、初めて訴追される案件となった。女性は、介護施設に入るなら、安楽死してほしいという医師への「事前意思表示書」を書いていた。しかし、介護施設にはいらなければならないときには、自分ではもはや意思表示できなかった。医師は事前意思表示書に従った。腕に注射針を指したとき、患者は一瞬引っ込める素振りをしたりした。――

書籍紹介

日本における「健全な創薬文化」樹立へ―『製薬と日本社会』紹介―

奥田純一郎・深尾立/共編、上智大学出版/発行ぎょうせい/発売、2020

「日本における健全な創薬文化」樹立のためのフォーラムへの招待状である。昨今のコロナ禍は、いみじくも創薬の必要性・重要性を痛感させた。

インタビュー

研究室訪問 Vol. 6ー蔵田伸雄会員

「そもそも人生の意味とは何か」ということを考えることによって見えてくることがたくさんありました。生命倫理について、もう30年近く研究していますが、このように現実的な問題をいったん離れて「そもそも論」に戻ると見えてくることがたくさんあったのです。――「研究室訪問」の第6回目は、北海道大学の蔵田伸雄先生にお話を伺いました。

COVID-19の倫理 Vol. 6 ウェブで見られる資料集 第4報

COVID-19の倫理に関連するリンク集、第4報です。

インタビュー

研究室訪問 Vol. 5ー川端美季会員

「清潔でない」ことは非難の対象となる場合があります。なぜ「清潔でない」ことが非難の対象になるのかを考えるためには、そもそも「清潔でない」とはどういうことかを考える必要があります――「研究室訪問」の第5回目は、立命館大学生存学研究所に、川端美季先生を訪問させていただきました。清潔、公衆浴場というテーマを中心に川端先生の研究について、また、立命館大学生存学研究所についてお話を伺いました。

書籍紹介

響き合う哲学と医療

船木祝 著、中西出版、2020

いのちの問題を人間観を軸に誕生、老い、死へと網羅的にまとめている。また、本書が扱うテーマは、コロナウイルス感染症拡大における、不確実な人間の態度決定において起こりがちなスティグマ、排除、共同体の問題と重なり合う点が多い。

インタビュー

研究室訪問 Vol. 4ー児玉聡会員

日本から発信すると同時に、日本もアジア圏の他の国々からたくさん学ばなければならないと思っています。――「研究室訪問」の第4回目は、京都大学の児玉聡先生にオンラインでインタビューさせていただきました。終末期医療や安楽死に関する最近の研究、近著の『実践・倫理学』、京都大学のオンライン公開講義「立ち止まって、考える」、京都大学大学院文学研究科応用哲学・倫理学教育研究センター(CAPE)の活動についてお話を伺いました。

インタビュー

研究室訪問 Vol. 3ー美馬達哉会員

「研究室訪問」の第3回目は、アカデメイア立命(立命館大学衣笠キャンパス)にて、美馬達哉先生の研究室を訪問させて頂きました。近著の『感染症社会―アフターコロナの政治学』、「エンハンスメントから見たスポーツ」(『未完のオリンピック』所収)について中心にお話を伺いました。

研究室訪問 Vol. 2ー鍾宜錚会員

親が子を愛する、子が親を尊敬する、そういう上下関係はありますが、その形が変わってきていると思います。尊敬し合う、愛し合う。これはどういうことなのか、どのように終末期医療に反映されるのか。―鍾宜錚会員(大谷大学真宗総合研究所東京分室)の研究室を紹介します。

COVID-19の倫理 Vol. 5 ウェブで見られる資料集 第3報

COVID-19の倫理に関連するリンク集、第3報です。

インタビュー

研究室訪問 Vol. 1ー森下直貴会員

生命の価値をめぐる議論を「システム倫理学」の観点から問い直す必要がある。―森下直貴会員(老成学研究所)の研究室を紹介します。

COVID-19の倫理 Vol. 4 【特別寄稿】新型コロナウイルス感染症をめぐる生命倫理と法(甲斐克則)

会員の甲斐克則氏の特別寄稿「新型コロナウイルス感染症をめぐる生命倫理と法」を掲載します。

COVID-19の倫理 Vol. 3 ウェブで見られる資料集 第2報

COVID-19の倫理に関連するリンク集、第2報です。

COVID-19の倫理 Vol. 2 『生命倫理』誌における感染症の倫理

日本生命倫理学会の学会誌『生命倫理』より、感染症の倫理に関する論文をピックアップしました。

COVID-19の倫理 Vol. 1 ウェブで見られる資料集

COVID-19の倫理に関連するリンク集です。

インタビュー

共有できるルールを見つける―名誉会員・位田隆一先生に聞く

2019年に、位田隆一先生が名誉会員となられました。これまでのご研究、生命倫理学会の思い出など、伺いました。

書籍紹介

生命の問いー生命倫理学と死生学の間でー

大林雅之著、東信堂、2017

やや戸惑いながら、生命倫理学と死生学の間で揺れ動いていた頃以降の論考をまとめたものである。

書籍紹介

『日常のなかの生命倫理―最後に守るべきものは何か』

山本史華著、梓出版社、2018

「日常のなかの」という言葉には、見えにくくなっている生命倫理学の課題を、加速する医学や医療とは一定の距離をおきながら問い直したいという意図が込められている。