活動総括

本部会は本年度(2021年度)に新規に開設し、新生児・小児に関わる倫理的課題の共有・議論の場となる定例研究会開催を主軸に置きました。計4回開催し、医療や法の領域における子どもの最善の利益をめぐる議論を踏まえつつ、思春期のがん患者に対する妊孕性温存療法や虐待事例報告に際する親の同意の所在など最前線の具体的実践に関わる新しい話題を共有しました。各回、多領域から1520名の参加者を得、学際的な議論の端緒となることを目的とした部会新設の意義が確認されました。
今後も、我が国に点在するさまざまな具体的課題を抽出し、部会員内で共有しながら、各領域での実践に還元できる立脚点を見出せるよう、活動継続を願っています。さらなる仲間を募りながら、今後は実態調査・研究・発信など検討していきたいと考えています。成人領域で見え隠れする倫理的問題は、さらに色濃く小児領域に影を落とします。小児・成人の領域・専門領域の垣根を超え、複視眼的な議論のできる場に発展できるよう努める所存です。

一年間の活動記録

1回研究会

922()18:30-19:30 参加者16

部会の概要・進め方
横野 恵(幹事)

日本における新生児・小児医療の倫理ガイドラインを振り返って
加部一彦(代表)

第2回研究会

 1027() 18:30-19:30 参加者19

小児医療における子どもの「最善の利益」の決定と「司法の役割」
畑中綾子(尚美学園大学)・土屋裕子(立教大学)

3回研究会

1124() 18:30-19:30 参加者15

AYA世代のがん患者の生殖・妊孕性温存に関わる現状と倫理的課題について
古賀友紀(九州大学大学院医学研究院周産期・小児医療学講座/九州大学病院小児科)(非会員ゲスト講師) 

4回研究会

1222() 18:30-19:30  参加者16

児童虐待の症例報告等における親の同意について
横野恵(早稲田大学)