活動総括

部会長 杉原正子

本部会の主な活動内容をご報告します。

申請時の目的の、当事者・市民の視点の重視、及び、当事者・市民と専門職などとの対話や横のつながりという点で、幹事で当事者の宿野部武志やイベント参加者の当事者・市民と活発な議論を行うことができ、有意義でした。また、部会の直接の活動ではないが、幹事の宿野部武志が大会の学会企画シンポジウムに登壇させて頂いたり、部会長の杉原正子が学会企画委員に加えて頂き、当事者・市民協働参画の重要性を議論させて頂いたりと、学会の内外で問題意識と理解を深め、広めることができたと思われます。 

一年間の活動記録

部会内会議

毎月開催 オンライン、3-8名参加

各種打ち合わせの他、将来展望として以下が議題に上った。生命倫理の原点に遡りつつその変遷をたどることで、今日の生命倫理がどのように発展し、また結果取り残しているものは何かを考えたいということ、あるいは生命とは何か、人間の尊厳とは何かについて代表的な研究者に話を聴きたい等など。

ワークショップ「当事者・市民協働参画と新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミック」(日本生命倫理学会第33回年次大会)

2021年11月28日(日) 参加者74人

北原秀治(東京女子医科大学・早稲田大学 共同大学院 TWINS
吉田智美(筑波大学理工情報生命学術院システム情報工学研究群)
杉原正子(独立行政法人国立病院機構東京医療センター精神科医)
細田満和子(星槎大学副学長・教授) 
宿野部武志(一般社団法人ピーペック代表理事)

「当事者・市民と製薬企業はどのように協働できるか?」(第2回 当事者・市民参画を考えるワークショップ)Zoom開催

背景
医療における当事者・市民の重要性が注目されていますが、専門家との対話や協働は簡単ではありません。そこで、日本生命倫理学会「当事者・市民協働参画を考える」部会では、20209月、公開ワークショップを開催し、当事者・市民協働参画に関する論点を洗い出しました。この時、当時者から、「治験などの最新情報を入手することが極めて困難である。」という重要な問題提起がありました。元来、薬は生命や生活の質に直結するものであり、製薬企業は当事者・市民に適切に情報提供を行うことが求められます。また、薬の研究・開発・市販などに関しても、主役である当事者・市民と製薬企業が対話し協働することが必要なはずです。一方、製薬企業は営利組織でもあるため、様々な倫理的リスク、限界、困難も想定されます。当事者・市民と製薬企業は協働が可能なのでしょうか?可能だとしたら、どのように協働できるのでしょうか?立場によらず、ご興味のある皆様のご参加を熱望します。

2021124日(Sat10:0012:30 ZOOMにて開催 参加者約70

プログラム

第一部 司会 細田満和子(星槎大学教授)

吉田智美(筑波大学大学院システム情報工学研究群 博士後期課程)
「医薬品の開発の歴史と患者・市民」

大内香(中外製薬株式会社メディカルアフェアーズ本部長)
「製薬会社が目指す患者さん貢献」

東山浩之(アステラス製薬株式会社ペイシェント・セントリシティ室次長)
「当時者・市民と製薬企業の真のパートナーシップを目指して」

宿野部武志(一般社団法人ピーペック代表理事)
「当事者と製薬企業の協働について(当事者の立場での実践から)」

川田龍平(参議院議員 薬害エイズ訴訟原告)
「血友病患者、薬害HIV感染当事者として、製薬企業との協働について思うこと」

第二部 司会 杉原正子(国立病院機構 東京医療センター 精神科医師)

グループ討論全体討論