活動総括

部会長 土井健司

2021年度に体制を一新して部会活動を再開し、予定通りコロナ禍におけるトリアージの問題に関わるシンポジウム(8月29日午後1時半から5時)について共催者としてその実施に加わりました。主にイタリア、ドイツ、フランス等のコロナ禍のトリアージの現状、日本の現状とトリアージの必要性などが発題内容であり、再度生命倫理の基礎概念である「人間の尊厳」の問題の重要性を確認しました。なお共催とはならなかったものの日本学術会議哲学委員会主催のシンポジウム「コロナ禍における人間尊厳」(12月5日)についても部会員を含めて広報して関わりました。

部会独自の活動としては、やや遅くなりましたが、年末に最初の部会ミーティングを開き、部会員同士で懇談し、今後の活動方針等について確認しました。その結果、3月22日に研究会を実施。講師は立命館大学の美馬達哉氏に依頼し、とくに60年代以降、今日に至る生命倫理学の展開・発展における流れ、方向性、そして問題点等について話していただきました。

基礎理論部会では、生命倫理学について個々具体的なケーススタディーよりも、文字通り基礎的な考え方、原理的な思想を再検討し、この複雑化した現代の状況においてなお生命に関わる倫理的なものの深化を求めるために活動しています。21年度は体制を一新したこともあり、活動はいささか遅れ気味であったが、一定の成果は得られたものと考えています。

一年間の活動記録

第一回部会ミーティング

2021年12月29日 午前11時より12時5分 Zoom

年度末に向けた活動計画について、出席者9名。生命倫理の原点に遡りつつその変遷をたどることで、今日の生命倫理がどのように発展し、また結果取り残しているものは何かを考えたいということ、あるいは生命とは何か、人間の尊厳とは何かについて代表的な研究者に話を聴きたい等など。

第二回部会ミーティング

2022年3月22日 8時40分から9時20分 Zoom

研究会についての感想、懇談の後、新年度の活動について年間テーマを「人間の尊厳」に定めて、研究会、講演会を予定することとした。出席者12名。

研究会

2022年3月22日 午後7時より9時 Zoom 参加者36名

生命倫理学者という職業
美馬達哉(立命館大学教授)

共催

日本学術会議哲学委員会「いのちと心を考える分科会」主催シンポジウム「コロナ禍におけるトリアージ」