• 期間:2024年11月~2027年8月31日
  • 部会長:宇田川誠(国立精神・神経医療研究センター)
  • 幹事:奥井ひかり(京都府立大学)、土屋貴志(大阪公立大学)
  • 部会員:岩江荘介(宮崎県立看護大学)、桂川純子(豊橋創造大学)、迫田実香(大阪大学)、貞岡美伸(京都光華女子大学)、鈴木美香(大阪大学)、恒松佳代子(久留米大学)、坪井龍太(大正大学)、中田亜希子(東京理科大学)、中畑広(弘前大学)、皆吉淳平(芝浦工業大学)、横田惠理子(慶應義塾大学)、吉川ひろみ(県立広島大学)

部会の目的

授業・研修はたいてい担当者の考えで構成され、担当者と履修者・受講者の間のいわば密室でおこなわれています。たとえシラバスが公開されていようとも、実際の授業の様子は外からは見ることができません。このような孤立閉鎖的状況においては、授業担当者が自らの授業の悩みを一人で抱えてしまうことが多くなるでしょうし、優れた授業実践の知恵があったとしても埋没してしまうことも多いと考えられます。

近年ではこのような事態を解消する機会、たとえば大学のFD研修など、授業方法について学び悩みや情報を共有する機会も増えてはきています。しかしながら、生命倫理教育に焦点をあてたオープンな授業法検討の場というのは見つけることができません。そこで本部会は、生命倫理教育に特化した開かれた授業法研究の場となり、以下の活動を通して生命倫理教育の発展に寄与することを目指します。

  1. 授業担当者として抱えてきた悩みを語り相談する機会を提供
  2. あまり授業担当を経験してきていない方や、あたらしい形の授業を試してみようと考えている方が、事前に授業構想を相談する機会を提供
  3. 各々が蓄積してきた教え方の智恵を共有する機会を提供
  4. よりよい教育法上の工夫を検討する協働的探究の実践
  5. 関連文献等の共有による知識の拡充と教育活動への活用の検討

本部会は、本学会会員および非学会員にも広く参加を呼びかけ、活動の充実を図るとともに、広く開かれ多様性をもった生命倫理教育ネットワークの構築にも努めていきます。なお、本学会の会員は高等教育機関に所属している割合が高いです。そこで、非学会員への参加呼びかけに際しては、初等中等教育の生命倫理教育実践者にも積極的に呼びかけをおこなって、小・中・高・大・専門学校・各種機関で情報共有と相互刺激を図りつつ、さらに校種を超えた教育連携の可能性も検討していきます。

日本生命倫理学会には、生命倫理についての授業・研修を担当している、あるいは将来その可能性がある学会員が数多く在籍していると推測されます。その中で、授業について悩みや不安を抱えている学会員、生命倫理教育法上の工夫を重ねるための協働の場と必要としている学会員は決して少なくはないでしょう。本部会の活動は、そういった学会員のニーズにこたえ、本学会全体の生命倫理教育の向上に貢献します。

2024年度活動計画

1)定例研究会

月に1回、授業法についての定例研究会を開催します。1回の研究会はおよそ2時間で、1人~2人の報告とディスカッションから成ります。授業実践報告のみならず、授業構想についての報告、授業についての悩み相談、生命倫理教育に関する文献レビューなども広くおこなっていきます。定例研究会はオンライン会議ソフトを使用し、全国のどこからでも容易に参加可能な形態とします。

定例研究会は部会員を中心として開催しますが、本部会に所属していない学会員や非学会員の皆様の参加を積極的に呼びかけていく予定です。部会員の推薦による非部会員報告(ゲストスピーカーによる報告)も実施していく予定です。

また、本学会では高等教育に携わる会員が多いので、初等中等教育における生命倫理教育の実践者を招いて、校種を超えた情報交換と相互刺激を図りつつ、連携の可能性を模索していくことも(2022年度に引き続いて)実施していく予定です。

2)相互授業参観

初等中等教育でおこなわれている「研究授業」に倣った相互授業参観を実施します。これは部会員限定で、日時を事前に決めておいた上でお互いの授業を参観可能として開放し合い、授業後には所感や意見を交換するというものです。

2023年度まではオンライン授業の録画を共有することで相互授業参観を実施しましたが、今後は可能であれば対面授業での相互授業参観も実施していきたいと考えております。

(3)授業用の資料についての情報共有とその活動実践のアーカイブ化

生命倫理教育の特徴の一つとして「資料」を重視するという点が挙げられます。ここでの「資料」とは、新聞記事、雑誌記事、小説、漫画、各種統計、映画、配信動画など多くのものを含みます。「資料」の重視という特徴は、生命倫理教育に固有のものというわけでもありませんが、少なくとも日本の生命倫理教育では伝統になっていると言っても過言ではありません。しかし、この「資料」には悩みも多く、とりわけ、①膨大な「資料」をいかに収集し管理するか、②資料を授業でどのように用いるか、またそのためにどのような工夫をしていくか、という点については苦慮している方も多いことと推察します。

そこで、本部会では、定例研究会やメーリングリストなどで、授業に用いることができる資料について情報交換を積極的におこなっていくとともに、さらに定例研究会での実践報告と並行して資料の活用法をアーカイブしていき、広く共有していくことを目指します。

※「授業法研究部会」は、2020年度より本学会の部会として継続的に採択され、活動を続けてまいりました。2024年度以降も、これまでの取り組みを踏まえて活動を継続してまいります。

これまでの活動報告

2020年度

2021年度

2022年度

2023年度

本部会に関するお問い合わせ先

b07-jugyo[at]ja-bioethics.jp

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