瀧本禎之

昨今、臨床倫理コンサルテーション活動に代表される臨床倫理支援に従事する人達が増えつつありますが、研究倫理支援と異なり情報共有などを行える場は限定されています。そのため、各々がそれぞれの施設で手探り状態の中、草の根的に頑張っている状況といえます。本部会は、臨床倫理支援に従事する者が、自由に議論や情報共有を行い、臨床倫理支援を行う体制を立ち上げる方々に必要な情報を提供するための活動を行うことを目的に活動してきました。

具体的には、月1回開催してきたサロンでは、各々が日頃感じている臨床倫理に関する疑問や臨床倫理コンサルテーション活動における悩みなどに対して、自由な意見交換を行ってきました。また病院・臨床倫理委員会連携会議では、大学附属病院および特定機能病院といった大規模な医療機関の臨床倫理委員会の関係者を対象に、各々の現状の確認や情報提供が行われました。またそれに関連して、第31回日本生命倫理学会において、臨床倫理委員会のあり方を探るをテーマにシンポジウムを開催いたしました。

特に、サロンや連携会議においては、それぞれの立場で実践に関わっている人達が参加し意見交換を行ってきたため、事務的な問題から倫理的な問題まで幅広くかつ具体的な意見交換ができたこと、当事者の横の繋がりができることにより単独で臨床倫理支援に従事している人達に対する心理的支援として機能することが期待できると思われました。