活動総括
部会長 松井健志
当部会の第一の活動目的である、日本における研究倫理学領域の学術研究および研究倫理に関する実践・教育活動を促進・発展させるための学術的交流・意見交換を目的とした定例研究会(奇数月開催)については、2022年度は計6回開催しました。各回とも活発な議論や情報交換が行われており、また、昨年度からの部会登録者も増えていることから、当初目的を達成することができていると考えています。また定例研究会とは別に開催している文献輪読会(偶数月開催、8月休会:研究倫理部会員の中から有志の登録者(=報告担当者)による登録制で運営し、登録者全員が輪読会での何らかの報告を担当する形式で進めているもの)については、2022年度末までに5回開催しており、研究倫理に関する重要な英語文献について着実に読み進めることができています。現状では未だ開始はできていないものの、これらの活動を通じて研究・報告意欲の高い部会員が今後も増えていけば、部会オンライン・ジャーナル創設に向けた検討をいずれ進めていくことも可能になると思われます。
一年間の活動記録
定例研究会
奇数月開催。2022年度はすべてZoomを利用しての開催。また、本年度研究会はすべて、研究倫理研究会(@東京大学医科学研究所)との合同開催。
第1回:2022年5月16日(月)16時~17時半
「新たな『人』試料をめぐる問題…??」
松井健志(国立がん研究センター)
参加者約20名
第2回:2022年7月25日(月)16時~17時半
「医療情報の研究利用に関する学術例外・公衆衛生例外の問題整理」
清水右郷(学振特別研究員PD(京都大学)
参加者約25名
第3回:2022年9月12日(月)16時~17時半
「生み捨てられる社会へ―書籍『狂気な倫理:「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定』から」
貞岡美伸(京都光華女子大学)
参加者約15名
第4回:2022年11月21日(月)16時~17時半
「胎児の遺伝学的検査における偶発的所見の親への開示の問題について」
伊吹友秀(東京理科大学)
参加者約15名
第5回:2023年1月16日(月)16時~17時半
「IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)からの挑戦状?‐ブレインテックと生命倫理のクロスロード‐」
福士珠美(東京通信大学)
参加者約20名
第6回:2023年3月27日(月)16時~17時半
「がん登録と個人情報保護」
丸山英二(神戸大学名誉教授)
「個人情報保護国内規制と医学系研究の課題」
松井健志(国立がん研究センター)
参加者約24名
2022年度 文献輪読会
偶数月開催、8月休会:有志登録者のみ参加。
輪読文献:
①Nuffield Council on Bioethics (2020), “Research in global health emergencies: ethical issues”
②Alex London (2022), “For the Common Good: Philosophical Foundations of Research Ethics”
2022年4月18日(月)、16時~17時半、
①Chapter 5:柳橋晃(茨城キリスト教大学)
①Chapter 6:田代志門(東北大学)
参加者11名
2022年6月20日(月)、16時~17時半
①Chapter 7:石川洋子(旭川医科大学)
①Chapter8:土屋貴志(大阪公立大学)
参加者8名
2022年10月17日(月)、16時~17時半
①Chapter 9:井上悠輔(東京大学医科学研究所)
①Chapter 10: 伊吹友秀(東京理科大学)
2022年12月19日(月)、16時~17時半
②Preface及び1.1~1.2:山本圭一郎(国立国際医療研究センター)
参加者14名
2023年2月20日(月)、16時~17時半
②1.3~1.8:土屋貴志(大阪公立大学)
参加者9名