活動総括

部会長 土井健司

2022年度の活動は、前半期には最初のミーティングにおいて年度のテーマを「人間の尊厳」と決めて、とくにその関係から第一回研究会ではその関連で「安楽死とキリスト教」と題して土井が発表しました。また第二回研究会では、安藤泰至が「「安楽死」が一つの選択肢になるとはどういうことか?」と題して発表がなされました。

土井は、キリスト教、とくにカトリックの伝統的見解について「特別手段」「通常手段」の区別、クィンラン事件に確認できるように現代の生命倫理を生み出す医療環境においてはこの区別が有効でなくなってきていること、またヨハネ・パウロ二世の回勅「いのちの福音」、自死・自殺に関するキリスト教の伝統等を紹介しました。

安藤は現代日本における安楽死問題を自身の研究の歩みと合わせて論じました。出版予定のベルギーにおける安楽死の実態についての翻訳書、また安藤・島薗編『見捨てられる〈いのち〉を考える』の内容、安楽死と殺害、医療との関係、また「治す医療」と「支える医療」の乖離・断絶等などについて論じました。

一年間の活動記録

部会ミーティング

2022年531日 オンライン 参加者8
年間テーマの策定、発表者案、日程等

1回研究会

2022年725日 1000分から1200分 オンライン 参加者11
土井健司「安楽死とキリスト教」

2回研究会

2022年918日 1900分から2100分 オンライン 参加者13
安藤泰至「「安楽死」が一つの選択になるとはどういうことか?」