• 日時:2019年12月8日(日)10:40~11:25
  • 会場:東北大学川内キャンパス 文科系総合総合講義棟・第3小講義室(E会場)
  • 座長:佐藤 雄一郎(東京学芸大学)
  • 10:40〜10:45
    座長による受賞者紹介
  • 10:45〜11:15
    心肺蘇生時の家族の立ち会いと情報開示
    中澤慧(群馬大学)
  • 11:15〜11:25
    質疑応答

座長報告

今年の若手論文奨励賞は、中澤慧氏(群馬大学医学系研究科医学哲学・倫理学講座博士課程)が受賞し、本大会で講演が行われることになった。中澤氏は医師であり、そのご経験もあり、心肺蘇生時の家族の立ち合いの問題に関心を持つことになったとのことであった。今回の公演では、(1)論文の概要、(2)査読過程から学んだこと、(3)研究開発委員会からの指摘を踏まえて検討したこと、(4)今後の課題、についてそれぞれ報告があった。(4)については、直接の立ち合い以外の場(例えば、手術見学、手術動画の閲覧、手術標本の提示など)についての議論、情報開示の目的の多様化、心肺蘇生時以外の立ち合い(例えば分娩時)などについての検討が必要であると報告された。フロアからも、分娩立ち合いにおける立ち合い者の範囲や人数制限の問題や、心肺蘇生への立ち合いの意味(場合によっては「看取り」の意味を持つこともあろう)など、さまざまな質問や議論が出された。本論文は、査読時も研究開発委員会における審査の際もさまざまな意見が出されたが、個人的には、多様な意見がだされるというのが生命倫理学の学際性を表しており、また、現実の問題意識を踏まえて書かれた論文であるからこそこのように多様な意見が出されたものと感じられた。