• 日時:2019年12月8日(日)9:00~10:30
  • 会場:東北大学川内キャンパス 文科系総合総合講義棟・第3小講義室(E会場)
  • 12:10~12:15
    座長挨拶 田中 智彦(東京医科歯科大学)
  • 12:15~12:25
    P-7 ICTを利用した患者参画型の医学研究における協働の場の構築

    • 磯野萌子(大阪大学)
    • 濱川菜桜(大阪大学)
    • 古結敦士(大阪大学)
    • 山﨑千里(大阪大学)
    • 加藤和人(大阪大学)
  • 12:25~12:35
    P-8 「リベラル優生主義」批判
    -「リベラル」ではありえない優生主義-
    邢暁赫(千葉大学)
  • 12:35~12:45
    P-9 安楽死再考への一試論
    小田中奎太(東北大学)
  • 12:45~12:55
    P-10 と畜場の繋留所における家畜の飲用水設備の設置状況
    長沼拳(酪農学園大学)
  • 12:55~13:05
    P-11 臨床研究法のスキームと施行一年後の現状から見る運用上の課題

    • 樋野村亜希子(滋賀医科大学/放送大学)
    • 高橋博子(滋賀医科大学)
    • 倉田真由美(滋賀医科大学医学部附属病院)
  • 13:05~13:15
    P-12 家畜ウシにおけるゲノム編集に関する倫理的諸問題の検討
    平田圭吾(酪農学園大学)
  • 13:15~13:20
    座長総括

座長報告

本セッションでは今回、5本のポスター発表が行なわれた(予定されていたもう1本は演者が体調を崩したため残念ながら取りやめとなった)。発表5分、質疑応答5分という時間配分であったが、いずれの演者にも時間内に発表をまとめ、質疑に応じていただけたおかげで、セッション全体としてもスケジュール通りに進行した。また、フロアの参加者(20名ほど)からの質疑もさかんで、それぞれ5分とはいえ発表者との間に数多くのやり取りがなされた。規模は小さいながらも活気のあるセッションであったと思う。そして選考の結果、今年度の「若手優秀ポスター賞」は、樋野村亜希子「臨床研究法のスキームと施行一年後の現状から見る運用上の課題」(共同演者:高橋博子、倉田真由美)に授与されることとなり、閉会式でその旨が発表された。

このようにセッション自体は概ね成功裏に終えることができたが、いくつか気になる点もあった。今後のために、以下に記して参考に供することとしたい。

一つは会場について。今回は2階ホールという開放的な空間にポスターが展示された。常に人が行きかい目につく上に、声の通りもよく、セッションを開催するのに最も適った場所であったことは間違いない。開催校スタッフの慧眼であり、この場を借りて感謝を申し上げたい。その一方で、ホールで談笑する人々の声もよく響くため、セッションの最中にもとなると、発表・質疑が聞き取りにくくなることもしばしばであり、演者にはいささか気の毒であった。開放的な空間ゆえの難しさであるが、しかしそのよさも捨てがたく、今後の会場設営の際に考慮をしていただければ幸いである。

もう一つは参加者について。選考に際し投票権をもつ理事・評議員をはじめ、もっと多くの参加を望みたい。もちろんそれぞれに事情のあることは理解しているが、学会として賞を授与するのであるから、やはりフロアは賑やかなほどよいだろう。また、学会として若手研究者を支援していくのであれば、研究成果を発表する場にそれなりの数の「ベテラン」が居合わせ、今後の糧となる批判やアドバイスをおくることも必要なのではないだろうか。若手研究者の励みになる賞ができたのは喜ばしいことだが、その賞の意義を確かなものにし、高めていくために、理事・評議員をはじめ学会員諸氏のさらなるご協力を期待したい。

受賞者コメント

樋野村亜希子

この度は、名誉ある若手優秀ポスター賞をいただきましたこと、本当に嬉しくまた光栄に存じます。大会長の浅井篤先生をはじめ審査員の先生方、発表を聞きに足を運んでくださった皆様方に心よりお礼申し上げます。われわれ滋賀医科大学研究活動統轄本部・倫理審査室ではこれまで研究倫理支援に取り組んで参りましたが、図らずも今回、これらの取組をこのような形で評価していただき、栄えある授賞を賜りましたことはこの上ない喜びであり、深く感謝申し上げます。

今回のポスター発表では、2018年5月に本学に設置した「滋賀医科大学臨床研究審査委員会」におけるこれまでの事務局の運用と臨床研究法の施行から間もなく2年を迎えようとする中で同法に準じて、学内外から申請された臨床研究を審査し世に出すまでのプロセスにおいて直面した問題について生命倫理学の研究者間において情報を共有できればと考え発表いたしました。

本学での事務局体制や審査状況については多くの先生方や学会員の皆様に関心を持っていただき、たくさんのご質問をいただきありがとうございました。特に実際に所属機関において同じように倫理審査委員会の事務局をご担当されておられる先生方とはデスカッションを通していろいろなご意見を頂戴することができ大変勉強になりました。

また事務局として臨床研究審査委員会の所掌の事務を遂行する中で直面した運用上の課題についてフロアのみなさまと共有させていただき感謝しております。是非とも他機関で事務局を運営される方々と今後とも引き続き問題意識を分かち合い、より適切な運用ができるように協働し活動していければと考えております。

今回の栄誉を励みとし、これからもなお一層の研鑽を重ね、臨床研究が適切に実施されるよう支援活動に精進してまいりたいと存じます。最後に、発表にあたり様々な視点からご意見ご指導をいただきました共同発表者及び本学倫理審査室の皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。