本書では、国内外の資料に基づき、新型コロナウイルス感染症に関して、2020年9月までのことを述べました。
本書の目次の概要は、以下のとおりです。
Ⅰ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
Ⅱ 原因不明肺炎(Pneumonia of unknown cause)
Ⅲ コロナウイルス(CoV)
Ⅳ 緊急事態宣言(Declaration of a State of Emergency)
あとがき
Ⅰ章は、イントロダクションです。
Ⅱ章では、初期のことに関して述べました。具体的にいうと、中国の湖北省武漢市における原因不明肺炎(新型コロナウイルス感染症は、当初、原因不明肺炎とされていました)の発生や、その肺炎に関する病原体診断等について、述べました。
Ⅲ章では、ヒトに感染するコロナウイルスや、それを原因ウイルスとする感染症に関して、主に述べました。それらに関しては、命名や法的位置付けの話もしました。命名の話は、疾患名から生じる問題を考慮に入れて設けられたWHOの指針をふまえた話等です。また、法的位置付けの話は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、検疫法や、それらの法律の関係政令に関わる話です。
Ⅳ章では、次の①~⑪等に関して述べました。①国内外における新型コロナウイルスの感染拡大、②中国の新型コロナウイルス感染症対策、③WHOのPHEIC宣言や、それを受けて日本で行われた政令改正、閣議了解、出入国管理及び難民認定法に基づく対応、④新型コロナウイルス感染症に関するデマやインフォデミック、⑤厚生労働省が示した「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」や、その目安に関して誤解が生じるのを防ぐために、後日行われた事務連絡での補足、⑥学校保健安全法に基づく臨時休業、⑦クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号への日本の対応や、その対応についてのCDC等の見解、⑧新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案の提出・成立や、同法律案に対する附帯決議、⑨行政文書の管理に関するガイドラインに規定されている歴史的緊急事態、⑩新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言及び当該宣言に関する区域変更・期間延長・解除宣言、⑪COCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)に関する問題。
大部分が実質的なⅤ章となっているあとがきでは、G7やWHO西太平洋地域の国の状況等に関して述べました。
飯田泰士