「当事者・市民協働参画を考える」部会は、当事者・市民と専門家を含む多分野の多職種が、多様な視点から生命倫理に関して相互に学ぶ姿勢と場を活性化するという目標で2020年4月に新たに発足しました。5名の幹事と、やや入れ替わりはありましたが、7名(2020年3月末)の部会員との計12名で、主に下記の3つの活動を行いました。
第一に、月1回、年12回の部会(Zoom)を開き、4~7名が参加し、多様な立場・所属の部会員が活発に情報交換・連携・イベント準備を行いました。
第二に、2020年9月27(日)に、学会外に開かれたワークショップ「徹底討議:今、なぜ、当事者・市民協働参画なのか?」(Zoom)を開催し、当事者、市民、研究者、製薬会社社員など多様な立場の約60名が参加しました。当部会幹事5名(杉原正子、吉田智美、北原秀治、細田満和子、宿野部武志)の情報提供の後、小グループの議論を経て、全体討論を行い、当事者・市民協働参画の意義や難しさ、課題点などについて、ピア・サポートから治験まで、広く活発な議論を行いました。
第三に、2020年12月6日に、ワークショップ「当事者・市民協働参画と新型コロナウィルス(COVID-19)パンデミック」(日本生命倫理学会第32回年次大会、公募ワークショップⅢ(2-C-1)) (Zoom)を開催しました。杉原、細田、宿野部の情報提供の後、多様な立場・意見の参加者(約45名)で全体討論を行い、新型コロナ禍における「命の選別」に論点を絞って課題を洗い出し、「命の選別」以前にすることがあるのではないか、「命の選別」が課題となる現場で、医療者の立場をどこまでどのように考え、守るべきなのかということなどに関して、激しく議論を展開しました。
このように、部会内における再発見や相互の刺激のみならず、部会以外、学会以外の参加者の多様な参加者や支援者からの学びや気づき、相互の刺激も多く、多様な立場で相互に学ぶ姿勢と場を作り活性化するという今年度の目的は達成されたと考えます。