• 期間:2024年11月〜2027年8月31日
  • 部会長:川島孝一郎(仙台往診クリニック 院長)
  • 幹事:安藤泰至(鳥取大学医学部保健学科 准教授)
  • 部会員:安藤泰至(鳥取大学医学部保健学科 准教授)、石本博子 (熊本大学病院看護部)、井上信次(新見公立大学地域福祉学専攻長  教授)、小倉理恵 (全国障害者介護介護保障協議会 NPO法人広域協会)、 川口有美子(日本ALS協会理事、有限会社ケアサポートモモ代表取締役)、川島孝一郎(仙台往診クリニック 院長)、鈴木美香 (大阪大学 研究員)、徳永純(狭山神経内科病院 院長)、中島孝(国立病院機構新潟病院 名誉院長)、野池輝匡(慈泉会 相澤病院緩和ケア科 統括部長)、長谷川智美(全国障害者介護介護保障協議会  NPO法人広域協会)、 長谷川唯 (立命館大学生存学研究所客員研究員)、日向園惠(老人看護専門看護師/社会福祉士)

部会の活動目的

日本生命倫理学会会則第3条(目的および事業)1.本学会は、生命倫理に関する諸問題の研究-科学技術一般と倫理との関係の研究、関連する社会的課題の研究および関連諸分野の学際的総合研究-の推進を図ることを目的とします。

生命倫理における「生命」に関する課題は、①物質論(遺伝子・性差・老化・身体機能や脳機能とAI等)のみならず、②心理・哲学・宗教的内容を含め多岐にわたります。

さらに「人生の最終段階」は①②に加えて③環境・社会・教育・経済・法律のいずれもが関連し合う複雑系と言って良いでしょう。

本部会においては①と②のいずれかに偏らず、③を含めて、釣り合いを保ちながら「人生の最終段階におけるケア(End of life care)のあり方」全体の整合性を求めてゆきます。

EOLCについて、死を知覚・経験しない主観としての本人からはEOLは知覚・経験されません。知覚・経験されない以上本人にとってはEndless lifeであるものが、上記課題①②③に関わる人によって客観的に実体としてのEOLにされてしまうのです。また本人自身も他人の死を客観的に見て、自分にもEOLが訪れるのだと自身の確信に達するのでしょう。

確信した本人にとっての知覚・経験されないEOL(Endless life)は構成概念であるにもかかわらず、周囲の人が見る本人のEOLは実体となり、ここに主客転倒が起こったり、構成概念に対してあたかも実体であるかのような解釈をおこない、定義や規則を当てはめようとするのです。

倫理の諸問題も、構成概念と実体の取り違えが契機となったり、意味付与する何ものかについての意識(私)と、意味づけられる世界との流動的関係性抜きには語られないことを、固定化しようとすることにより発生することが多くあります。それ故、倫理を実体化・固定化し定義づけと等級化・規則化しようとする企ては時に危険に満ち溢れています。

EOLC部会においては、主観である本人にとっての構成概念であるEOL(Endless life)と、実体だとする客観側のEOLとの関係をどのように捉えるかを探りながら、実体と構成概念の統合されたcareを取り入れ、倫理的視点に統合してゆくプロセスを自己変容しながら体験するものなのです。

2024年度活動計画

2024年度は3年間の活動計画の中から、部会員の専門分野をもとに議論を進めていく

  1. 「自己決定能力」の有無によって差別化が起こっている現状に対して、知的障害・認知症の方々のオートノミーについての議論をする。
  2. EOLC部会との対極にある「究極的な延命治療のポストヒューマニズム」についての議論
  3. 「実体と構成概念」についての検討・協議をおこなう。
  4. 「日本人が海外での安楽死」を希望することに関して検討・協議をおこなう。
  5. EOLCにおける医療成果(AI・ロボットスーツ等)およびQOLの本質についての考察・検討
  6. 日本弁護士連合会の「人権擁護委員会」の方々とEOLCについて①「トリアージの法的根拠」が関連する内容(国内法での解釈)・社会契約論等の社会的合意形成による理論化の是非、②安楽死尊厳死法(医師の免責案)に関しての協議をおこなう。
  7. ACPとEOLCに関する諸問題を分析しACP提供者への情報提供プロセスを構築およびEOLCにかかわるACPに関する諸問題について検討・協議をおこなう。
  8. EOLCの社会学的諸問題および教育等について検討・協議をおこなう。
  9. EOLCにおける人間関係性の再構築に関する主客分離と主客統合の理解を図る。知覚論・意味論を基礎とした、主客相互に含み合う全体形成が医師-患者関係に必須の要件としてあり、間主観性の成り立ちを学ぶことによって、間主観性がEOLCに関与する全ての人間職種に必要であると理解されるプロセスの構築に関する諸問題について、検討・協議を行う。
  10. EOLCに関する更なる問題については、構成メンバー全体会議の中で検討・協議をおこなう。
  11. 2024年度の具体的な年間活動としては下記を予定
    1. 月に一度のオンライン研究会:部会員が各月ごとに司会とEOLCに関する問題提供し、部会員相互で協議をおこなう。
    2. 年に一度の部会員全員の対面による部会活動。
    3. 年に一度の公開イベント(非学会員の参加を含む)をおこなう。
    4. 法曹関係者(日本弁護士連合会等)との生命倫理における意見交換会の開催を調整中
    5. 以上より、それぞれの研究内容への理解と発表者の深化に沿って発表・論文投稿・書籍作製が促進されるような活動をいたします。

これまでの活動報告

2023年度

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