• 期間:2020年4月〜
  • 部会長:川島孝一郎(仙台往診クリニック)
  • 幹事:安藤泰至(鳥取大学)
  • 部会員:石本博子(熊本大学病院看護部)、井上信次(新見公立大学)、野池輝匡(相澤病院)、川口有美子(日本ALS協会理事、有限会社ケアサポートモモ代表取締役)、鈴木美香(大阪大学研究オフィス)、中島孝(独立行政法人国立病院機構新潟病院 院長)、日向 園惠(石巻赤十字病院看護部)、徳永純(狭山神経内科病院) 

部会の活動目的

生命倫理における「生命」に関する課題は、① 物質論遺伝子・性差・老化・身体機能や脳機能とAIのみならず、② 心理・哲学・宗教的内容を含め多岐にわたります。さらに「人生の最終段階」は①②に加え ③ 環境・社会・教育・経済・法律のいずれもが関連し合う複雑系と言って良いでしょう。

本部会は①と②のいずれかに偏らず、③を含めて釣り合いを保ちながら「人生の最終段階におけるケア(End of life care)のあり方」全体の整合性を求めてゆくものです。

EOLCについて、死を知覚・経験しない主観としての本人からはEOLは知覚・経験されません。知覚・経験されない以上本人にとってはEndless lifeであるものが、careに携わる周囲の人によって客観的に実体としてのEOLにされてしまうのです。また本人自身も他人の死を客観的に見て、自分にもEOLが訪れるのだと自身の確信に達するのでしょう。

確信した本人にとっての知覚・経験されないEOL(Endless life)は構成概念であるにもかかわらず、周囲の人が見る本人のEOLは実体となり、ここに主客転倒が起こったり、構成概念に対してあたかも実体であるかのような解釈をおこない、定義や規則を当てはめようとするのです。

倫理の諸問題も、構成概念と実体の取り違えが契機となったり、意味付与する何ものかとしての私と意味づけられる世界との流動的関係性抜きには語られないことを、固定化しようとすることにより発生することが多くあります。それ故、倫理を実体化・固定化し定義づけと等級化・規則化しようとする企ては時に危険に満ち溢れています。

EOLC部会においては、主観である本人にとっての構成概念であるEOLと、実体だとする客観側のEOLとの関係をどのように捉えるかを探りながら、実体と構成概念の統合されたcareを取り入れ、倫理的視点に統合してゆくプロセスを自己変容しながらの体験をめざします。

2023年度活動計画

  • 「実体と構成概念」の諸問題、「安楽死/尊厳死」に関する諸問題、EOLCにおける実体としての身体機能の向上に関する研究を推進します。
  • ACPEOLCに関する諸問題を分析しACP提供者への情報提供プロセスを構築します。
  • EOLCの社会学的諸問題および教育等について検討します。
  • EOLCにおける人間関係性の再構築に関する主客分離と主客統合の理解を図ります。
  • EOLCに関する更なる問題については、構成メンバー全体会議の中で協議をおこなう予定です。
  • 2023年度は、2022年度の活動報告に記載されている内容と同様に、部会員が各月ごとに司会とEOLCに関する問題提供をおこない、部会員相互の協議をおこなうことにより、それぞれの研究内容への理解と発表者の深化に沿って発表・論文投稿・書籍作製が促進されるような活動をいたします。

これまでの活動報告

2020年度

2021年度

2022年度

本部会に関するお問い合わせ先

b02-elc[at]ja-bioethics.jp

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