活動総括

  1. 部会員の募集をおこない、今年度新たに1名の応募があり、合わせて10名を部会メンバーとしております。
  2. 各部会員がこれまでに発表した①論文、②著書、③総説、④発表を示して頂きました。
  3. 各部会員が興味を持ち、課題と考えるEOLCに関する内容を列挙して頂きました。
  4. 未だコロナ禍の時期であり、今年度の主な活動はオンライン会議形式の部会活動を月に一度、行ってまいりました。その中で個々の興味、関心の把握を目的としました。また、2024223日には東京駅近郊の会議室(AP東京八重洲)にて対面の部会を開き、7名が出席しました。
  5. 3.に関して個別の意見を聴取することも考慮しましたが、それぞれの興味・課題の対象が異なるため、会議の際に各個人より話題を提供頂き、それについて意見交換を行いました。
  6. 当部会の「日本生命倫理学会」における①立ち位置、②生命倫理における最も基礎となるところ、③自由とモラル、個人と全体等に関する境界領域の論議、④自由意志についての論議、意見等を確認しながら全体会議を開催してまいりました。
  7. 今年度についての2.に関する内容を提出して頂きました。下記活動記録を参照。
  8. 1年の成果として、部会メンバー個々の興味の対象が把握でき、それぞれ異なる分野が対象であるので、意見の一致が目的ではなく個々が進んでいく方向性を全員で認識することができました。

次年度には、それぞれの分野を掘り下げ、内容を進めさせることによって集約できるものを協議していき、部会の方向性を確認していきます。

一年間の活動記録

1回部会

2023429日(土)第1回部会 オンライン開催 参加人数7名 
進行 川島 孝一郎(仙台往診クリニック)
今年度第1回目となるオンラインでの顔合わせ。入会された方のご紹介。
今年度の活動の内容についての連絡など。

第2回部会

2023520日(土)第2回部会 オンライン開催 参加人数8
報告者 徳永 純(狭山神経内科病院)
ご自身の所属機関での症例、ご経験をもとにご報告いただきました。
臨床現場において、病気の症状から引き起こされる倫理的な問題が発生した場合の対処や症状への理解、医療者への安全性などの観点からどのような対応が望ましいのか、少数ではあるがアンケートを基に考察し研究対象についても今後医療者以外も検討し今後、論文としてまとめる予定です。

3回部会

2023618日(日)第3回部会 オンライン開催 参加人数8
報告者 川島 孝一郎(仙台往診クリニック 院長)
間主観性、共同主観性についての考察、医療的ケアにおける人間関係の構築について意見交換を行いました。

4回部会

2023720日(木)第4回部会 オンライン開催 参加人数8
報告者 井上 信次様(新見公立大学)
知的障害のある人の地域での生活―「人生を創り、終える地域の選択」が可能な社会になるのだろうか」―
(軽度の)知的障害がある人が、生活をし、人生を終える場所を選択する機会が与えられていないのではないか、と言う視点から話題をご提供いただき意見交換、質疑応答を行いました。

5回部会

2023826日(土)第5回部会 オンライン開催 参加人数7
報告者 中島 孝 様(国立病院機構新潟病院 院長)
遺伝とナラティブ:薬剤・機器と共に生きていく人を支えるために
難病を主軸に変異とゲノム、遺伝情報と人:遺伝カウンセリングのゴールと必要性、遺伝と家族:心理支援技術、遺伝性疾患・遺伝医療の各トピックについてご報告頂き、意見交換をおこないました。

6回部会

2023923日(土)第6回部会 オンライン開催 参加人数6
報告者 石本 博子様(熊本大学病院 看護課)
「神経難病患者の意思決定プロセスを振り返って」
所属している大学病院神経内科の臨床現場における症例を紹介。病名告知から意思決定プロセス、ご本人が亡くなるまでの約2年間の経緯を立ち止まって振り返る機会としてご報告頂きました。

7回部会

20231028日(土)第7回部会 
報告者 野池 輝匡様(相澤病院 緩和ケア科統括医長)
Altruism アラユルコトヲカンジョウニイレズニ」「主人と下男」(1895) レフ・トルストイ より
当日の部会は都合により開催せず、後日、発表者からの資料を基に意見感動をご提出いただきました。一部抜粋にて資料をご紹介いただきました。ご自身の経験と重ね、利他について考える機会となり、今回話題をご提供いただきました。

8回部会

2024128日(日)第8回部会 オンライン開催 参加人数6
報告者 日向 園惠様(石巻赤十字病院 看護部)
「親を看取る経験を通して ~超高齢多死社会を支える老人看護専門看護師としての役割を改めて考える~」
ご本人の経験から、医療者・家族の両方の立場からの「親を看取る」ことについてお話頂きました。
ご自分のご家族の突然の意思決定について、医療従事者とは言え動揺や葛藤があった。そのご経験を通して考察を行い、課題や改善点など検証し、部会の中でご報告いただきました。所属施設では研修の実施や倫理部会の開催、宮城県内での看護師向けのカリキュラムも開催されています。

第9回部会

2024223日(金・祝)第9回部会 現地開催:AP東京八重洲 参加人数8
報告者1 鈴木美香 様(大阪大学 講師)
『在宅医療・ケアにおける「看取り」について』
自身が経験した親族の在宅でのおだやかな看取りと、新聞記事『「看取り」とは裁判で問う』(202312月 朝日新聞 夕刊)より、生前在宅での看取りを希望していたにも関わらず、救急搬送、心肺蘇生をされ亡くなったという両極端の事例をご紹介頂き、意見交換を行いました。 
報告者2 安藤 泰至 様(鳥取大学 医学部准教授)
「悲嘆(グリーフ)について」
ご家族を若くして亡くした経験を元に、死生学や京都ALS事件でも話題となっている安楽死を専門分野として大学で研究されています。

第10回部会

2024331() オンラインにて予定しております。
報告者 徳永 純 様(狭山神経内科病院)
「パンでミック下のトリアージにおける功利主義者の主張の矛盾を論証」(予定)

論文などの発表

中島孝.遺伝学を対人支援カウンセリングに活かすためのナラティブ理論 Heredity and Narratives for interpersonal support counseling based on human genetics.遺伝カウンセリング学会誌.2024年発行準備中