イベント名
シンポジウム「色覚検査と就業制限の近現代――ゲノム医療の時代における境界設定への視座」
概要
2023年6月に「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための施策の総合的かつ計画的な推進に関する法律」(ゲノム医療推進法)が成立しました。同法の第3条において、ゲノム情報による不当な差別が行われないようにすることが基本理念として掲げられています。2025年には、法務省が人権擁護のための啓発活動強調事項の一つとして、「ゲノム情報(遺伝情報)に関する偏見や差別をなくそう」を掲げました。このような状況のもと、何が不当な差別であり、どのようにしてその状態を解消していくかが現在の日本社会において問われています。
本シンポジウムでは色覚に基づく就業制限の歴史に焦点をあてます。色覚は伴性遺伝であり、かつて様々な進学制限や就業制限が課されてきました。それ故に、結婚や生殖の障壁として語られることもありましたが、近年は進学・就業制限が大幅に軽減されてきました。この歴史を丁寧に検討することで、今後、色覚に限らず遺伝情報に基づく差別にどのように向き合っていくのか、議論を深めます。
日時
2025年9月10日(水)、14:00-17:00
開催場所
ビジョンセンターグランデ東京浜松町 201号室 (JR山手線・京浜東北線「浜松町駅(北口)」徒歩4分/都営大江戸線・浅草線「大門駅(A6出口)」徒歩1分)
https://www.visioncenter.jp/grande/tokyo-hamamatsucho/access/
プログラム・イベント詳細
司会:楠瀬まゆみ(理化学研究所)
14:00 趣旨説明 由井秀樹(理化学研究所)
14:10 色覚異常を生み出した科学、病気扱いを疑う科学 鈴木聡志(東京農業大学)
14:40 色覚異常の科学史・社会史――過ぎたるは及ばざるが如しの典型例 溝口元(立正大学)
15:10 優生学史と色覚の社会史――色覚差別撤廃運動前史 由井秀樹(理化学研究所)
15:40 遺伝差別に対する政策の動向 佐藤桃子(理化学研究所)
16:10 休憩
16:20 コメント 飯田香穂里(総合研究大学院大学)
16:30 ディスカッション
17:00 終了
下記より参加登録をお願いいたします(2025年9月9日まで)。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScCuO4_lOQXmvztz70ccLh_S3IoZbhclkSwbwbatucOOhdwWg/viewform
イベントURL
https://www.ns.kogakuin.ac.jp/~ft12153/hisbio/sympo_j.htm
共催
共催 日本科学史学会生物学史分科会、理化学研究所生命医科学研究センター生命医科学倫理とコ・デザイン研究チーム
お問い合わせ窓口
由井秀樹(hideki.yui@riken.jp)
情報提供
由井秀樹(理化学研究所)