2022年11月20日(日) 15:50~17:50
Zoom2 オンライン(ライブ配信)
オーガナイザー
竹下啓(東海大学医学部付属病院)
報告者
竹下啓(東海大学医学部付属病院)
瀧本禎之(東京大学医学部附属病院)
長尾式子(北里大学病院)
金田浩由紀(関西医科大学総合医療センター)
三浦靖彦(東京慈恵会医科大学附属柏病院)
キーワード
病院・臨床倫理委員会、臨床倫理コンサルテーション
報告
近年、医療機関で医療・ケアに関する倫理支援を行う倫理委員会(病院・臨床倫理委員会:以下、HEC)や臨床倫理コンサルテーションは広く普及している。医療・医学領域の人を対象とする研究を審査する倫理委員会については、法令や行政ガイドラインでその構成や運用が詳細に規定されており、委員会の委員名簿や議事の概要は公表されている。他方、日本医療機能評価機構による病院機能評価の認定や医療・ケアの倫理に関わるガイドラインで役割が求められているにもかかわらず、HECや臨床倫理コンサルテーションのあり方については十分なコンセンサスはなく、情報公開も進んでいないのが現状である。
このワークショップでは、竹下 啓(東海大学医学部付属病院)、瀧本禎之(東京大学医学部附属病院)、長尾式子(北里大学病院)、金田浩由紀(関西医科大学総合医療センター)、三浦靖彦(東京慈恵会医科大学附属柏病院)が、ぞれぞれの所属する医療機関における実践を踏まえて現状を報告した。そして、HECと臨床倫理コンサルテーションをめぐるさまざまな論点について、ワークショップ参加者にリアルタイムにオンラインで意見を表明していただき共有しながら、ディスカッションを行った。
座長総括としてオンラインでの意見表明の結果を紹介する。15名の参加者(そのうち臨床倫理支援に携わっている人は10名)からオンラインでの意見表明を得られた。主な結果は以下のようであった。
- 病院長がHECの委員となることについて:なるべきでない7名、なってもよい2名、どちらともいえない6名。
- HECにおける外部委員の要否:必要11名、不要1名、どちらともいえない3名。
- HECの外部委員として望ましい属性(複数回答可):弁護士12名、医療倫理の専門家12名、弁護士以外の法律家10名、倫理学者・哲学者10名、一般の立場の人:10名。
- 倫理コンサルテーションの実施における本人や家族の同意の要否:不要10名、必要4名、原則必要1名。
- 倫理コンサルテーションチームや倫理コンサルタントは患者本人や家族に会うべきか:必要に応じて会うべきである11名、できるだけ会うべきである2名、ケースによる1名、会うべきではない1名。
- 倫理コンサルテーションの会議に患者本人や家族が参加するべきか:必要に応じて参加するべきである9名、できるだけ参加するべきである3名、参加するべきではない2名、必要に応じて参加する必要がある1名。
- 倫理コンサルテーションの記録を診療記録として保存するべきか:一般の診療と同様に記録するべきだ10名、参加した医師や看護師の判断に委ねるべきだ3名、医療事故対応の記録と同様に診療記録に含めるべきではない2名。
竹下啓(東海大学医学部付属病院)