概要

近年のゲノム関連技術の進歩には目覚ましいものがある。遺伝子を簡便に操作できるゲノム編集技術や、受精卵の遺伝子解析により重篤な遺伝性疾患を避ける着床前遺伝学的検査といった技術は、病気で苦しむ患者と家族に恩恵をもたらそうとしている。一方で、そうした技術をどのような対象に適用してよいのかという課題が提示されており、技術の適用は自由にすべきという意見と、そうではなく一定の規制を課すべきという意見とがある。これらの領域では、21世紀の医療はどうあるべきかという、より大きな根本的課題が提示されているとも言える。2つの領域を取り巻く現状を共有するとともに、様々な立場からの意見を聞き、将来に向けた議論を行う。

イベント名称

学術フォーラム「ヒトゲノム編集と着床前遺伝学的検査について考える -新しい医療技術の利用のあり方」

開催日時

2022年11月26日(土)13:00~17:30

開催形式・参加費

オンライン開催・無料

プログラム予定

司会:藤井 知行(日本学術会議第二部会員、医療法人財団順和会山王病院病院長、国際医療福祉大学大学院・医学部教授)
   尾崎 紀夫(日本学術会議第二部会員、日本医学会委員、名古屋大学大学院医学系研究科特任教授)

13:00~13:10 開会挨拶
梶田 隆章(日本学術会議会長、日本学術会議第三部会員、東京大学宇宙線研究所教授)
門田 守人(日本医学会連合会長)

13:10~13:30 「生殖医療におけるヒトゲノム編集技術と着床前遺伝学的検査の意義と問題点」
苛原 稔(日本学術会議特任連携会員、日本医学会連合理事、徳島大学特命教授)

13:30~13:50 「2018年国際サミットでのゲノム編集による双子誕生の報告のその後について」
加藤 和人(日本学術会議連携会員、日本医学会委員、大阪大学大学院医学系研究科教授)

13:50~14:10 「ヒトゲノム編集の臨床応用に関する英米アカデミー国際委員会の報告について」
阿久津 英憲(日本学術会議連携会員、国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所生殖医療研究部部長)

14:10~14:30 「法律の立場から見たヒトゲノム編集の臨床応用のガバナンス」
髙山 佳奈子(日本学術会議第一部会員、京都大学大学院法学研究科教授)

14:30~14:50 「哲学・倫理の観点からみたヒトゲノム編集の臨床応用」
香川 知晶(日本学術会議連携会員、山梨大学名誉教授、同大学研究員)

14:50~15:05 〔休憩〕

15:05~15:25 「着床前遺伝学的検査と生命倫理-過去・現在・未来-」
三上 幹男(日本学術会議特任連携会員、日本医学会委員、東海大学医学部医学科専門診療学系産婦人科学教授)

15:25~15:45 「遺伝医学の観点から見た着床前遺伝学的検査」
戸田 達史(日本学術会議第二部会員、日本医学会委員、東京大学大学院医学系研究科神経内科学教授)

15:45~16:05 患者・市民の立場から
 「遺伝性疾患の着床前遺伝学的検査 -当事者として想うこと-」
 野口 麻衣子(RB(網膜芽細胞腫)ピアサポートの会)

 「いのちを“選ぶこと”と“つくること”――市民社会の議論参加を求めて」
 利光 惠子(立命館大学生存学研究所客員研究員、グループ生殖医療と差別、優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会共同代表)

16:10~17:25 総合討論
司会進行:加藤 和人(再掲)
指定発言:青野 由利(科学ジャーナリスト、日本医学会委員、毎日新聞客員編集委員)

17:25~17:30 閉会挨拶
加藤 和人(再掲)

イベント参加方法

・事前申込不要
・視聴方法
 URL: https://www.youtube.com/watch?v=gNYqc8T0UDw
 詳細は以下のサイトにも掲載されます。
 学術フォーラム「ヒトゲノム編集と着床前遺伝学的検査について考える
 -新しい医療技術の利用のあり方」|日本学術会議 (scj.go.jp)
 URL: https://www.scj.go.jp/ja/event/2022/327-s-1126-2.html

主催

日本学術会議・日本医学会連合

お問い合わせ窓口

日本学術会議事務局企画課学術フォーラム担当
電話:03-3403-6295

情報提供

加藤 和人(大阪大学)

ポスター

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