概要
反出生主義研究会が主催し、ショーペンハウアーの反出生主義について『生まれてこないほうが良かったのか?』、『意思と表象としての世界』を頼りに研究いたします。
イベント名称
第2回「ショーペンハウアーと反出生主義を考える」
開催日時・場所
2022年6月28日 18時~
場所:Zoom
https://us06web.zoom.us/j/84220460324?pwd=VFNDZjF0dXJpRE1MZzV5TldOUk11UT09
イベント詳細
反出生主義といえばデイヴィッド・ベネターのインパクトも強く、その書籍のタイトルが『生まれてこないほうが良かった』であるため、日本の知識人への当初の受け入れられ方は、文字通り生まれてこないほうが良かったか否かという問いに集中した[現代思想2019年11月号]。その後森岡正博は『生まれてこないほうが良かったのか?』においてショーペンハウアーの反出生主義思想を紹介している。
ショーペンハウアーの反出生主義は、「生きようとする意思」の徹底的否定にある。そして射精を嫌う彼の思想にはセックスを否定する面がある。この点、ベネターの反出生主義よりも論理的に首尾一貫していると言えよう。ベネターは避妊や中絶をすれば、セックスの快楽を容認する。また反出生主義の中には結婚するものもいる。
しかしそれらは愛着という苦痛を生み出すものである。詳細は『感情主義から見る反出生主義の矛盾: 正しい反出生主義の構築を目指して』の中で論じたが、反出生主義を理性で構築するのであれば、そして反出生主義を、苦痛を減らそうとする思想であるとするならば、愛着も捨てねばならないだろう。こうしたことを考えるとショーペンハウアーの生きようとする意思の断滅、その先にある餓死という思想の妥当性が見えてくる。ショーペンハウアーの思想と反出生主義は、今再考されるべき時が来たのである。
そこで反出生主義研究会ではショーペンハウアーの反出生主義を『生まれてこないほうが良かったのか?』、『意思と表象としての世界』を頼りに研究することとしました。第2回となる今回は、発表2本と質疑応答を行います。読書会形式ですので第2回、第3回で発表したいという方も募集しております。反出生主義研究会や読書会への参加希望などの方はお気軽にご連絡ください。
水島淳「森岡正博のショーペンハウアーと反出生主義理解」
黒薔薇アリザ「『意思と表象としての世界』解説」(仮題)
これまでの活動記録はこちら
『反出生主義研究会会報: 反出生主義が多数派となった社会を考える』
https://www.amazon.co.jp/dp/B09MC1HWPT
『哲学者森岡正博先生に聴く: 反出生主義の過去と現在と未来』
https://www.amazon.co.jp/dp/B09NNS48QJ
主催
反出生主義研究会・生命倫理相談所
本イベントのお問い合わせ
反出生主義研究会:antinatalism[at]na-cat.com
情報提供
水島 淳(反出生主義研究会)