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会長就任のご挨拶

生命科学・医学研究の在り方、その成果である先端医療技術の社会的受容の問題のみならず、「生命」に関わる諸問題を、災害、看護、介護、医療経済、科学技術政策、メディア、女性学などの多様な視点からも検討されなければならない必要性があります。

「超学際的」分野としての生命倫理学

obayashi.jpg日本生命倫理学会第8期代表理事・会長 大林雅之(おおばやし・まさゆき) 本年 (2011年)度の年次大会において、代表理事の職を木村利人前代表理事より引き継ぎましたので、ここに、ご挨拶をさせていただきます。
 まず、3月11日におきました東日本大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故によって、亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りしますとともに、さまざまな被害を受けておられる方々に心よりお見舞い申し上げます。
 連日報道されている大震災や原発事故の事態は、国などの対応の問題を考えさせられるのみならず、我々自身にも多くの問いが投げかけられています。大震災と原発事故をめぐる問題は、いのちの意味、生と死の在り方を問うてきた生命倫理学にとっては言うまでもなく、深く関心を持たずにはいられないものとなっています。
 生命倫理学は、米国において、バイオエシックスとして生まれたルーツを持っています。その誕生の時代である1960年代は、米国の社会が、ベトナム戦争、人権運動、価値の多様化などに揺れる時代でした。そこでは、生命科学・医学研究の在り方、その成果である先端医療技術の受容、われわれにとっての生き方、死に方が、従来の学問分野の枠を超えて議論されることになりました。その意味においては、生命倫理学は、学問そのものの在り方をも問う、「超学際的」分野として進展しています。
 本学会は、上記のようなバイオエシックスの成立のルーツとその発展の経緯を受け、さまざまな学問分野の研究者が結集し、1988年11月に設立されました。日本においては、1970年代より、バイオエシックスが紹介され、「生命倫理(学)」の訳語も生まれ、新聞やテレビ等にも使用される言葉になりましたが、その議論によって強調されてきた、「患者中心の医療」、「患者の権利」、「倫理委員会」などの理念が社会的に浸透してきたかは慎重に見ていかなければならないと思います。
 その意味においても、生命科学・医学研究の在り方、その成果である先端医療技術の社会的受容の問題のみならず、「生命」に関わる諸問題を、災害、看護、介護、医療経済、科学技術政策、メディア、女性学などの多様な視点からも検討されなければならない必要性があります。本学会では、その特徴である学際性を十分生かして、日本とそして世界における、今日的問題を解決していくために、学会員相互の情報交換、学び合いの場としても十分に役割を果たしていくことを目指したいと思います。
 現在、本学会は、世代交代、学会の日常活動の活性化、会員相互の研究交流などに向けた改革を目標にしています。新しい学問であると同時に、我々にとっての「いのち」という切実な問題を考えていくという課題に向けて、会員の皆様のご協力を得て、本学会の運営に当たりたいと考えています。
 最後になりましたが、会員の皆様からのご意見、アイデアをどしどし、お寄せいただくことをお願いいたします。

(日本生命倫理学会・第8期代表理事・会長 大林雅之)


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